★★★よろ川長TOMベスト選

2014年4月 1日 (火)

『グレートレース』CGでは絶対作れないドタコメの逸品。

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 はい、みなさんこんばんわ。
 さあ、この楽しい楽しい作品がBSでご覧になれます。もう古すぎて、めったにテレビで放映される事もないので中年の映画ファンでもご存じない方が多くおられるとか。

 制作は1965年ですから実はそれほど古くもないんですが、舞台設定が1908年で、しかも実にいい感じに、見事に活動写真らしい時代感を醸し出しているために、なんだか本当にもっと昔の大正〜昭和初期の“古き良き”時代に居るかのような気になってきますよ。
 本当は片っ端からお話したいんですが、実際にご覧戴くのが一番よろしいので、いつものようにネタバレしないよう気をつけながらこの映画の魅力をお話しましょうね。
  

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2013年3月15日 (金)

『十二人の怒れる男』異様なほどの共有感にあなたは13人目の陪審員となる。

12angrymen00 原題も同じ『12 ANGRY MEN』。なんともいかめしい、時代めいたタイトル、どこか小むつかしそうな雰囲気、白黒映画、そして40代以下では見た事も聞いた事もない俳優ばかり。
 それだけでスルーされてしまうくらいに、古くなった1957年のアメリカ作品です。

 今更ながら名作中の名作で、三谷幸喜氏もオマージュ作を作ったほど大好きらしいので、タイトルくらいはご存じの方も多いでしょう。
 事実、脚本のしっかりした映画がお好きな方ほど、一度ご覧になれば夢中になって、どっぷり浸ってしまえるのがこの作品なんですね。

 年に数回のペースでNHK-BSの映画劇場で放映される作品なんですが、先の理由と、たいてい昼間の放映という事もあり、やはりスルーされてる事が多いようで。
 でもBSの受信料を払っておられるなら、観たことないのはもったいない。なのでこの機にご紹介させてくださいね。ええ、もちろん魅力と見どころのツボばっかりをご紹介。

 お話的にはネタバレなしですからご安心くださいね…。
 

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2012年5月22日 (火)

『フロント・ページ』仕事中毒の人ほど必見の傑作コメディ。

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 さあ、今回は私の大好きな大好きな名優、ジャック・レモンと、尊敬する大監督ビリー・ワイルダーの黄金コンビによる1974年の傑作コメディをご紹介しますね。
 ただしまたまた長いですよ。知っていると面白さが倍増するネタがいっぱいあるんで。
 でももちろん、ネタバレだけはしていませんからご安心を。

 さあ、お覚悟くださいね。…なんです?あまり長いと寝オチしてしまう?
 じゃあ、そこでお休みください。私はいつでもいつまでもここでお目覚めを待ってますよ。
 

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2011年12月 4日 (日)

『クリスマスキャロル』これぞ同名中で最高傑作、名作。ついにDVD&BD出ました!

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 はい、みなさんこんばんわ。
 もうすぐクリスマスですね。あら、もう恋人との約束で心ここにあらずですか。仕方ありませんね、でもこんな素敵な映画を観ながら一緒にすごすクリスマスもオススメですよ?
 今日は私の大好きなオールド・ムービーをご紹介しましょうね。
 笑えて、胸がじいんとなって、最後にとっても幸せな気分になれる素晴らしいミュージカルです。

 さあ、私の大好きな大好きな映画ですから、いつもより長いですよ。えっ、いつも長いじゃないかって?ごめんなさいね、その映画も私が大好きな映画だからですよ。じゃあ、いつもより“もっと”長いですよ、と申し上げましょうね。でも、楽しいですよ?
 

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2011年5月 6日 (金)

『仇討』究極のリアリズムが描くのは武家の悲哀か現代社会への皮肉か

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 はいみなさん、ごぶさたでしたね。今回ご紹介するのは1964年の邦画です。
 もちろん白黒映画…え、なんです?あなた、邦画、まして白黒映画ってだけで苦手ですって?まあ情けない。映画好きを自負されてるのに、色のあるなしで尻込みなさるんですか?

 そんな食わず嫌いなんかせずに、せっかくテレビで放映されるのですからまあご覧なさい。この作品は傑作なのにもかかわらず、DVD時代の今ではセルは勿論、レンタルもない貴重なものです。
 私の中では『七人の侍』の次に位置する時代劇がこの作品。なんとしてももう一度ちゃんと観たくて、ヤフオクでレンタル屋流れの中古ビデオを手に入れたのがもう4年も前。
 これが5月13日午後1:00~2:45、BSプレミアムにて放送決定!!これを見逃すと絶対損しますよ。とりあえず録っときましょう。
 

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2010年5月12日 (水)

『雨に唄えば』これを知らずにミュージカルを語るなかれ。

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 ♪あい、しーんぎ、んざれー。じゃっ、しーんぎ、んざれー。

 はい、みなさん、ごぶさたいたしました。今回はご存じの……

 え、あなた、タイトルは知ってるけどまだ観たことないんですか。そうですねえ、いまや名画劇場なんて番組もありませんし、なにせこうした映画をナマで観た年代があまりおられなくなりましたから、「これ、いい映画だよ」って若い人に教えることもないんでしょうかねえ。レンタル屋さんに並んでいてもピンと来ないかも知れません。
 まあ、まずはご覧ください。今の映画にない奥深い楽しさがありますよ~~~~!(この記事は2007年10月の記事に加筆したものです)
 

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2010年4月12日 (月)

『お熱いのがお好き』観ないと損する、元祖・女装コメディ♪

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 はい、みなさんこんばんわ。
 あら。そこの方。古いシロクロ映画なんか興味ないって顔してられますね。でも、映画はお好きなんでしょ?だったら、あなたものすごく損してますよ。この映画の舞台は1929年。古いもなにも、時代設定自体が昭和4年ですがな。
 色ですか?んなもん、日本人なら脳内変換で色なんかついてしまいますって。

 マンガとかご覧にならない?あれ、白黒でしょ。あら。マンガも興味ない?それ、人生の1/3を棄ててますよ。まあ、そうおっしゃらずに、この作品からご覧なさい。笑って笑ってしてるうちに、白黒映画なのに、すごくハデハデな色が見えてきますから。
 ご覧になった後、よくぞ教えてくれた♪って私にお礼言いたくなりますって。
 

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2010年3月23日 (火)

『七人の侍』この前に時代劇なく、このあとに時代劇なし。

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 よそのブログを見ていると、昨今は2時間越えの作品を「長い」と文句を仰る方が増えましたね。
 今からふた昔になりますかねえ。「今の子供たちは30分以上落ち着くことができない」と一部マスコミに看破されてたのは。その子供たちが今の若手大人層になってる事実を思えばあながちその意見は間違っていなかったのかも。

 さあ、そんなお尻の落ち着かない可哀そうな映画青年たちよ。
 長編映画とはこれだ、魂のこもった本物の男の映画とはこれだ、という作品がこれです。
 もぉ私なんか、最初にレンタルビデオになった時は勿論、LDボックスだってDVDだって違うデバイスが出るごとに何度も買いましたよ。え、青光ですか。それはまだ機械がないので…

 この映画こそ、私のベスト・オブ・ベスト。人生で最高の映画です。
 

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『椿三十郎』黒澤・三船版:これこそが痛快娯楽映画!必見の大傑作!!

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 はい、みなさんこんばんわ。

 おかげさまでこの映画ブログ『よろ川長TOMのオススメ座CINEMA』も移籍前から数えて、この2010年3月に5年目に突入しました。ちょっとバタついてまして、落ち着いて映画を楽しめてないんで新作映画の記事がありませんが、またボチボチ増やしてゆきますんでこれからもお見捨てなきよう。
 この記事は2007年3月の記事を改稿したものです。実は今日、3月23日は黒澤明監督の誕生日で、2010年は生誕百年だそう。というわけで、私も便乗…いえ、記念ということで。

 さて『椿三十郎』、この映画は筆者が1歳、1962年の公開ですが、モノクロであることを除けば古さを感じるどころか、これほど随所に光り輝くものを持った作品にはなかなかお目にかかれません。
 それなのになぜか今年2007年末に公開予定で森田芳光監督・織田裕二主演で45年ぶりのリメイク作として制作が進められている本作ですが、どんなリメイクになるかとか何ゆえのリメイクなのかとかはこの際うっちゃっておいて、黒澤オリジナル版はとにかく面白い、とにかく最初から最後まで飽きさせない娯楽時代劇の大傑作として、特にご覧になったことのない若い方々にご紹介したいと思います。

 あら!あなたはご覧になったことがあるんですね!嬉しいな、そうですか、それなら再録としてもお楽しみくださいね。
 ありがたいことに旧作扱いなので、レンタルなら尚更たいへん安くご覧になれるのもありがたいですね。
 

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2010年2月 1日 (月)

『アパートの鍵貸します』男の優しさってなんやろか?

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 はい、みなさんこんばんわ。
 まえにご紹介した傑作コメディ『あなただけ今晩は』のキャスト・スタッフが、その3年前に撮ったのがこの作品。
 私がはじめてコレを観た時は小学生。正直、まったくこの作品の良さが解りませんでした。

『あなただけ今晩は』が、子供が観ても笑える生粋のコメディだとすれば、こちらはぐっと大人のテイストで作られた深みのあるお芝居で魅せる、少々難度の高いコメディ。
 だけどジュニアだって、一度でも恋をした事があるならぜひご覧なさい。まるでお酒の味のように、今は解らない所も回数を重ねるたびに意味が解ってきます。この映画の洒落っ気や意地の悪さが分かるようになります。

 年配の方には有名な作品ですが、クラシックとなっててご存じない方も多いかと思いますから極力ネタバレをさけて解説させて戴きますね。
 

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