【人間ドラマ】

2014年12月 2日 (火)

『FURY』憤怒、というタイトルがすべての答。

Fury_00_2

 久々に新作映画を拝見しました。『FURY(フューリー)』。オールドファンには78年ブライアン・デ・パルマの作品が思い出されますが、今回は新進気鋭のデビッド・エアー監督による戦争映画。
 とにかく、とにかく驚きました。こんな見事で緻密な演出方法はみたことがありません。

 ものすごいアクションの中に、深い深い含みが籠められた作品なんですが、お話そのものはあまりにシンプルなので、今回はネタバレせずに見どころを解説するのがなかなか難しい。
 でも、いつものように見どころのお話をさせていただきますね。
  

続きを読む "『FURY』憤怒、というタイトルがすべての答。"

| | コメント (2) | トラックバック (0)

2013年3月15日 (金)

『十二人の怒れる男』異様なほどの共有感にあなたは13人目の陪審員となる。

12angrymen00 原題も同じ『12 ANGRY MEN』。なんともいかめしい、時代めいたタイトル、どこか小むつかしそうな雰囲気、白黒映画、そして40代以下では見た事も聞いた事もない俳優ばかり。
 それだけでスルーされてしまうくらいに、古くなった1957年のアメリカ作品です。

 今更ながら名作中の名作で、三谷幸喜氏もオマージュ作を作ったほど大好きらしいので、タイトルくらいはご存じの方も多いでしょう。
 事実、脚本のしっかりした映画がお好きな方ほど、一度ご覧になれば夢中になって、どっぷり浸ってしまえるのがこの作品なんですね。

 年に数回のペースでNHK-BSの映画劇場で放映される作品なんですが、先の理由と、たいてい昼間の放映という事もあり、やはりスルーされてる事が多いようで。
 でもBSの受信料を払っておられるなら、観たことないのはもったいない。なのでこの機にご紹介させてくださいね。ええ、もちろん魅力と見どころのツボばっかりをご紹介。

 お話的にはネタバレなしですからご安心くださいね…。
 

続きを読む "『十二人の怒れる男』異様なほどの共有感にあなたは13人目の陪審員となる。"

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2012年4月19日 (木)

『死刑台のエレベーター』思惑のズレが人生の歯車を狂わてゆく

Gallowselevator01

 はい、みなさんこんばんわ。
 もう古い映画になりました。でも今も昔も変わらんのが、どっろどろの関係になった“男と女”の末路。しかもそれにキワキワの犯罪が絡んで、おまけに運命の悪戯が手を出すとこんなことになっていく…というのを、やんわりと真綿で首を絞めるような息詰まり方で描いた作品です。

 どうです、じれったいですか?いえいえ、見終わった後にあなた、絶対ため息つきますよ。
 さあ、じんわりと、でもネタバレすることなく解説しましょうねえ。
 

続きを読む "『死刑台のエレベーター』思惑のズレが人生の歯車を狂わてゆく"

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2011年12月 4日 (日)

『クリスマスキャロル』これぞ同名中で最高傑作、名作。ついにDVD&BD出ました!

Christmascarroll01

 はい、みなさんこんばんわ。
 もうすぐクリスマスですね。あら、もう恋人との約束で心ここにあらずですか。仕方ありませんね、でもこんな素敵な映画を観ながら一緒にすごすクリスマスもオススメですよ?
 今日は私の大好きなオールド・ムービーをご紹介しましょうね。
 笑えて、胸がじいんとなって、最後にとっても幸せな気分になれる素晴らしいミュージカルです。

 さあ、私の大好きな大好きな映画ですから、いつもより長いですよ。えっ、いつも長いじゃないかって?ごめんなさいね、その映画も私が大好きな映画だからですよ。じゃあ、いつもより“もっと”長いですよ、と申し上げましょうね。でも、楽しいですよ?
 

続きを読む "『クリスマスキャロル』これぞ同名中で最高傑作、名作。ついにDVD&BD出ました!"

| | コメント (4) | トラックバック (6)

2011年7月22日 (金)

『父と暮らせば』戦争の傷痕から学ぶべき事。

Img20050728
 はい、みなさんこんばんわ。
 昨年2010年4月9日の井上ひさし氏に次いで、先日2011年7月19日に主演の原田芳雄氏も鬼籍に入られました。残念ですね。年を経るほどにまさに“いぶし銀”の味わいを深めておられただけに。

 そして今年2011年は、広島原爆投下の次の日、8月7日にこの作品がBSシネマにて放映されます。

 少しでも多くの方にご覧いただきたい作品ですので、古い記事ですがまたぞろほじくり出してまいりましたよ。

 さて。

 あなたは広島の原爆ドームの存在をご存知ですね。では、実際にご覧になったことはおありでしょうか。

 もう10年以上まえになりますが、筆者がはじめて実際に原爆ドームを見たとき、その色にぎょっとしました。

 テレビや写真で見るそれは、鉄骨がむき出しになった廃墟、草むしてはいるけれども全体に古びたコンクリートならではの、灰色モノトーンの壊れたビルディングです。

 しかし実際に原爆ドームの足元に立って見上げたとき受けた印象は全然違っていました。

 「えっ。この赤い色はなんや!? なんでこんなに赤いんや。」

 抜けるような初夏の青空をバックにしてそびえ立っていたにもかかわらず、筆者の眼に映ったコンクリートの廃墟はモノトーンなどではなく、まるで全体ににじみ出すように赤っぽい色に感じたのです。

続きを読む "『父と暮らせば』戦争の傷痕から学ぶべき事。"

| | コメント (2) | トラックバック (0)

2011年2月 4日 (金)

『野のユリ』庶民より俗っぽい尼さんと黒い天使の話。

Lilies_of_the_field_01

 はい、みなさんこんばんわ。
 またまた古い作品のご紹介です。レンタルでは見かけませんが、そのかわりセルDVDもあるようですし、BSでは年に一度くらい放送されるのでぜひお話しとかなあかんなあ、と思てた作品です。

 さてお話は。

 ワゴンって言うんですかね、どこからやってきたのか、アメ車独特の大きな平べったい車が砂埃を上げながら走ってる。そして『Lilies of the Field(野のユリ)』のタイトル、キャストのテロップ。B.G.M.には、この作品の主題曲『エイメン』のインストロメンタルがハーモニカで奏でられます…

続きを読む "『野のユリ』庶民より俗っぽい尼さんと黒い天使の話。"

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2010年4月28日 (水)

『ガンダムUC(ユニコーン)』SF映画ファンを自称するならご覧なさい。

Guc100428_034007

 ちょっと待って、そこのあなた。アニメの話は興味ないわ…と思てませんか。ハリウッド製のアニメは観るのに?あんなもん比較になりませんよ。日本のアニメの本当の凄さを知らんでしょう。オトナの鑑賞眼を自負するなら、これを観なさい。絶対もっともっと、日本のアニメを観たいとレンタル屋で探すようになる。

 私は映画好きな人ほど、今の日本のアニメを観て欲しい。知って欲しい。
 あなたたちは、それがどれほど素晴らしい作品なのかを見て取るチカラがある人たちだから。

 だから、今回は内容には言及しません。観る目があるなら冒頭だけでその物凄いスケール感が伝わるはず。そしてグイグイとこれから起こる、とてつもない物語にたちまち引き込まれてゆくでしょう。
 

続きを読む "『ガンダムUC(ユニコーン)』SF映画ファンを自称するならご覧なさい。"

| | コメント (2) | トラックバック (1)

2010年3月23日 (火)

『七人の侍』この前に時代劇なく、このあとに時代劇なし。

shichinin_no_samurai05.jpg

 よそのブログを見ていると、昨今は2時間越えの作品を「長い」と文句を仰る方が増えましたね。
 今からふた昔になりますかねえ。「今の子供たちは30分以上落ち着くことができない」と一部マスコミに看破されてたのは。その子供たちが今の若手大人層になってる事実を思えばあながちその意見は間違っていなかったのかも。

 さあ、そんなお尻の落ち着かない可哀そうな映画青年たちよ。
 長編映画とはこれだ、魂のこもった本物の男の映画とはこれだ、という作品がこれです。
 もぉ私なんか、最初にレンタルビデオになった時は勿論、LDボックスだってDVDだって違うデバイスが出るごとに何度も買いましたよ。え、青光ですか。それはまだ機械がないので…

 この映画こそ、私のベスト・オブ・ベスト。人生で最高の映画です。
 

続きを読む "『七人の侍』この前に時代劇なく、このあとに時代劇なし。"

| | コメント (2) | トラックバック (2)

『椿三十郎』黒澤・三船版:これこそが痛快娯楽映画!必見の大傑作!!

tsubaki_s_01.jpg
 はい、みなさんこんばんわ。

 おかげさまでこの映画ブログ『よろ川長TOMのオススメ座CINEMA』も移籍前から数えて、この2010年3月に5年目に突入しました。ちょっとバタついてまして、落ち着いて映画を楽しめてないんで新作映画の記事がありませんが、またボチボチ増やしてゆきますんでこれからもお見捨てなきよう。
 この記事は2007年3月の記事を改稿したものです。実は今日、3月23日は黒澤明監督の誕生日で、2010年は生誕百年だそう。というわけで、私も便乗…いえ、記念ということで。

 さて『椿三十郎』、この映画は筆者が1歳、1962年の公開ですが、モノクロであることを除けば古さを感じるどころか、これほど随所に光り輝くものを持った作品にはなかなかお目にかかれません。
 それなのになぜか今年2007年末に公開予定で森田芳光監督・織田裕二主演で45年ぶりのリメイク作として制作が進められている本作ですが、どんなリメイクになるかとか何ゆえのリメイクなのかとかはこの際うっちゃっておいて、黒澤オリジナル版はとにかく面白い、とにかく最初から最後まで飽きさせない娯楽時代劇の大傑作として、特にご覧になったことのない若い方々にご紹介したいと思います。

 あら!あなたはご覧になったことがあるんですね!嬉しいな、そうですか、それなら再録としてもお楽しみくださいね。
 ありがたいことに旧作扱いなので、レンタルなら尚更たいへん安くご覧になれるのもありがたいですね。
 

続きを読む "『椿三十郎』黒澤・三船版:これこそが痛快娯楽映画!必見の大傑作!!"

| | コメント (4) | トラックバック (10)

2010年3月14日 (日)

『シンデレラマン』生きてゆくことは戦い。タイトルからは想像できない傑作

cinderella01.jpg


   はい、みなさんこんにちわ。  さあ、またひとつ、素晴らしい映画に出逢えました。 「家族の幸せだけを願っていたら、いつの間にかアメリカの希望になっていた」という公開当時の宣伝コピーや、そのタイトルから家族愛を描いた幸運なボクサーの復活物語かと思っていたのに、違いましたね。なんの、シンデレラなもんですか。この原題、逆説的に付けられていたんですよ。

 そこに描かれていたのは、努力。いや、努力なんて言葉では片づけられない、懸命に家族を護ってゆこうとする、ひとりの父親の必死な姿がありました。
 またまたチグハグな宣伝文句に困惑しましたが、今回は嬉しい裏切りでした。さあ、お話しさせてくださいね。
 

続きを読む "『シンデレラマン』生きてゆくことは戦い。タイトルからは想像できない傑作"

| | コメント (19) | トラックバック (70)

より以前の記事一覧