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2007年1月 4日 (木)

『007カジノ・ロワイヤル』シビれた!これぞボンドの原点復帰!!

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 ♪デンデケデンデン、デンデンデン、デンデケデンデン、デンデンデン。

 はい、みなさんこんばんわ。あの、ジェームズ・ボンドが一新して帰ってきましたね。

 今度のボンドはこれまでとは全く違った印象の男、ずっとスケールの大きなお話。もう、ご覧になりましたか。

 えっ、まだですか。それはいけません。これはほんとに、久々に“観ないとソンするボンド映画”ですよ。
 さあ、この魅力タップリの話題作、おいしい見かたをお話ししましょうね。
 


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 さあ、あえてあらすじなどは書きません。お話はご自身で辿っていただきましょう。
 とにかく見せます。魅せます。
 007がアクションシーンで始まるのはお約束なんですが、今回のはチト違います。いつもならいきなり任務中で危機一髪のボンドから始まるんですが…

 冒頭、モノクロで回想シーンらしき展開。意味深な台詞。
 そしてお約束の、らせんを切った銃口の中のボンド、そして主題歌。
 これがメチャメチャかっこいいんですね。歴代もそうですが、時代の最先端の映像技術を駆使して創られるのが007のオープニングなんです。そしてバックに流れるのはその時々で話題のミュージシャンの歌。

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 さあ、それが終わるといよいよ本編。いわば“お約束”だらけなのが007映画なんですが、今回実にそれを巧く押さえた上で、さらになんとか既製のボンド映画を脱却しようという工夫があちらこちらに見られます。アクションからして全然違います。

 飛ぶ、落ちる、跳ねる、また飛ぶ。また落ちる。これまでのボンドが生ぬるく見えるほど、ものすごくスピーディで立体的なアクションの連続。もう、ジャッキー・チェンもびっくり。
 ジャッキー・チェンのそれは、京劇とカンフーをベースにして美しい舞踊にも似た殺陣であるのに対して、これはまるで跳ね回るピンボール。まばたきしてたら何カットも見逃します。今の時代ならではのスピードですね。
 もう、普通の映画ならこれだけで山場として終われそうな濃い、濃い内容。それをサラリと冒頭で使ってしまうこの贅沢さ。
 ボンド自身も肉体と知恵を駆使して追う、追う、追う。嬉しいのはけったいな秘密兵器なんか使わないこと。ありあわせのものを武器にする。相手が武器を持っていたら奪って使う。

 特殊部隊や特殊工作員は常にこういう訓練をしてるんですってね。これ、最近あったな、と思ったら『トランスポーター』がそうなんですね。

 1962年、スクリーンにジェームズ・ボンドが登場してからというもの、俳優が変わる度にジェームズ・ボンドは誰が演るのか、で話題騒然となりますね。
 なんといっても今回で通算21作。番外編といわれる作品まで加えたら23作目になる、長い長いシリーズ映画です。
 私もほとんど観てきましたが、どうもショーン・コネリー以降は秘密兵器に懲りすぎて肝心の脚本がおろそかになった作品ばかりのように思います。悪役も回を重ねるごとにショボくなってね。やってることは一見スケールでかそうでも、その悪党を倒したらもうオシマイというパターンばかりで。

 大切なことを忘れていたんですね。ジェームズ・ボンド、007は“殺しの番号”なんです。本来は殺人は罰せられて当然の罪なんですが、政府から「必要とあらば殺人やむなし」という許可が下りている特殊な立場の諜報部員なんですね。
 今回の『カジノ・ロワイヤル(以降、C.R.)』はあらためてそのことを思い出させてくれます。

 そして最初は単なる洒落みたいなつもりで登場させた秘密兵器が、いつのまにか“今回のお楽しみ”になってしまっていたんですが、現実にGPSやデジカメやウェブ・ブラウザー機能を持った携帯電話を一般人がフツーに使いこなす時代に、クルマが勝手に走ろうがミサイルをぶっ放そうが「何を今さら」なんですよね。
 ですから今回の『C.R.』ではそんなオモチャは出てきません。というか、発信器も小型情報端末もありふれたものとして使っているのが実に見やすい。

 そのかわりちゃんと往年のボンドファン、オールドファンが唸るサービスも用意されているのが心憎い。

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 ボンドが“現地調達”する“64年型アストンマーチン(写真上左)”は『007 ゴールドフィンガー』に登場したクルマですし、後に乗り回すのも(写真右)おそらく最新型のアストン・マーチンでしょう(あまりクルマは詳しくないので自信なし)。
 そして“ユーロスター”らしき豪華列車でのこのシーン。あいにく確認できてないのですが、どうやら『ドクター・ノオ』か『ロシアより愛をこめて』に似たようなカットがあったような記憶があります。

 また、重要な役割を担うのがボンドが作中でバーテンダーに注文するマティーニもどきのショート・カクテル。
 本来はドライジンとドライベルモット(白ワインになんやかやと漬け込んだ酒)を好みの割合(たいてい9対1)で交ぜ、必ずオリーブを添えるのが一般的。さらにジンをウォッカに変えたのが“ウォッカ・マティーニ”と呼ばれるものなんですが、作中のものはウォッカにジンを加えてレモンスライスという変わりダネ。でもこれ、ボンドならではのレシピとして知られるものなんですね。
 (あいにくウォッカを切らしているので、通常のマティーニを飲りながらこれを書かせていただいています。)
 「時計はロレックス?」と訊ねられて「オメガ」と答えるなど、小物に対するコダワリも007マニアならニンマリする台詞も。

 面白いなと思ったのは、予告編を見る限り昔のボンドを描いたのかと思いきや、まったく新たなボンドだということなんですね。ある意味、シリーズ中異端とまで言われた1967年制作で同名の『カジノ・ロワイヤル』みたいに、「ボンドはボンドだけど、違う人ですよ」と言っているかのよう。酒の好みなどは同じなんですけどね。
 むしろマニアの間で言われるように、ボンドは一種の称号だという捉え方を暗に示しているようですね。だから“M”だけは相も変わらず同じジュディ・デンチが演じていたり。

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 ジュディ・デンチを仲間に入れて良いかどうかは別として、今回もボンド・ガールはみな美人ぞろい。ただしグラマラスな従来のノリではなく、あくまで知的美人というのは作品を上品に仕上げるのにひと役買ってますね。

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 おっと、肝心の悪役のお話を忘れてました。
 今回は“ル・シッフル”と呼ばれる数学の天才なんですが、左目の涙腺が異常で、血の涙を流すという設定。ここでも肉体的なり後天的なり、必ずひと味違った特徴を持った“怪人”が敵役なのも007ならではのお約束を守ってるんですね。
 でもここでも新たな工夫が成されています。
 これまでなら、そういうオッサンが頭目なんですが、今回はその黒幕がいるんですね。昔のボンドにはスペクターと名乗る悪の組織がいたようですが、さて、今回はどうでしょうか。この辺もよく練られた脚本のお陰でなかなか楽しめますよ。

 今度の新ボンド、ダニエル・クレイグ。
 最初はどうなるか思いましたが、いいですね。このお話によく合ってます。
 これまでのクールでキザなだけのボンドではなく、秘めたる熱血で、鷹のような眼をして狐のようににしたたかで猫のように柔軟で、豹のように静かに獲物を仕留める所が実にかっこいい。
 この作品、シリーズだけでなく映画史に残る傑作だと思います。


 余談ですが、カジノ・ロワイヤルでのポーカー、ずいぶん変わったルールのようでしたが、私が気になったのはあのディーラー。チャーリー・シーンのカメオ出演に思えて仕方なかったんですけど、エンドロールで確認したところ別人のようです。

 さあ、今回も長くなりました。これでも一応自分なりに文字数の制限はしているんですけどね。面白い映画はいくらでもお話できますね。

 *イメージ画面は予告編ほかから拝借いたしました。

『カジノ・ロワイヤル』米国公式サイト

 では、また、お逢いしましょうね。

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コメント

こんにちは!
記事読ませていただいて、とっても参考になりました!過去の作品から脱却した「本作」なんですね。とはいいつつも過去作品を楽しんだ人をも裏切らない。
確かにこの作品のボンドは、自分の身体と即座の判断と最小限の武器で戦ってますよね。
今後も楽しみな作品となりました。
TB&コメントありがとうございました。

投稿: カオリ | 2007年1月 6日 (土) 15:04

こんばんは♪
TBありがとうございます!
こちらからも何度か試みたのですが、失敗に終わってしまうのでコメントにて失礼をいたします(^^;
“ボンドらしくなさ”を逆手にとって(この場合は順手か?)、新たな始まりを見事に印象付けた一本でしたね。ただまぁ、個人的には観終わった後の満足度とは裏腹に、過去のケレン味たっぷりのボンド映画を無性に観たくなる後遺症には襲われましたが(^^;

投稿: たお | 2007年1月 7日 (日) 19:33

カオリさん、いらっしゃいませ!
おお、何か参考になりました?それは良かった…ダラダラ長い文章でごめんなさいね。
またぜひいらしてください。

投稿: よろ川長TOM | 2007年1月 8日 (月) 00:13

たおさん、いらっしゃいませ!
最近トラバの送受信がたま~~にヘンになる時間帯があるようです。ごめんなさいね。
実は私、ティモシー・ダルトン版以外はほとんど劇場で観てきているんですよ。だからあっちも嫌いではないんですけど、最近のぬるめのハリウッド映画を観ていると、たまには本格ハードボイルド映画も観たくなるじゃないですか。
この作品は丁度ノドの渇きを癒す…いや、刺激を欲していたノドにビリリと滲みる辛口の酒のような映画だったんです。
また、いらしてくださいね。

投稿: よろ川長TOM | 2007年1月 8日 (月) 00:16

こんばんは!いつもありがとうございます!
いきなりで申し訳ありませんが、、、
>らせんを切った銃口の中のボンド
「ライフルマークを切ったバレルの中のボンド」
の方が、かっこいいです!ぎゃははは!
イケズ、でしょ? こら!イケズ後家とちゃうわい!
最初のすごいアクションシーン、他の人に言わせると、「ヤマカシ」ぽいとか、、、そんな感じもします。すごかった!
やっぱり秘密兵器はねぇ、、、今では何持ってきても、びっくりしないですよね。そのあたしが今後の課題かと思います。

投稿: 猫姫少佐現品限り | 2007年8月 8日 (水) 01:52

姫少佐、毎度です!
いや、ライフルマークってのは銃弾に刻まれる傷のことですから。(´。`)
言うなれば“ライフルを切られたバレル”なんでしょうけど。
ただ、私はバレルというとウイスキーの樽を思い出すのでありますよ。だから、却下。

あと残された秘密兵器は、やっぱし姫少佐の好きなアストンマーチンが変形合体するヒト型兵器でしょう。

投稿: よろ川長TOM | 2007年8月 9日 (木) 01:59

うぅぅ、、、、
あたしからのTBもスパム扱いするし、、、
やっぱりTOMじぃのほうが、
イケズや、、、

投稿: 猫姫少佐現品限り | 2007年8月11日 (土) 23:17

うゑゑゑ!? スパム扱いですか…(゚o、゚)
ライブドアとは相性悪いんですかねえ。
私も何度かライブドアにはじかれてますし。

…てか、じぃ言わんとって。(-"-;)
まだおっさんですから。

投稿: よろ川長TOM | 2007年8月12日 (日) 00:00

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