【洋画:'01年以降】

2014年12月 2日 (火)

『FURY』憤怒、というタイトルがすべての答。

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 久々に新作映画を拝見しました。『FURY(フューリー)』。オールドファンには78年ブライアン・デ・パルマの作品が思い出されますが、今回は新進気鋭のデビッド・エアー監督による戦争映画。
 とにかく、とにかく驚きました。こんな見事で緻密な演出方法はみたことがありません。

 ものすごいアクションの中に、深い深い含みが籠められた作品なんですが、お話そのものはあまりにシンプルなので、今回はネタバレせずに見どころを解説するのがなかなか難しい。
 でも、いつものように見どころのお話をさせていただきますね。
  

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2011年4月24日 (日)

『エリザベス:ゴールデン・エイジ』歴史劇にあらず、女王という立場の女性の物語。

elizabeth_golden_age_01.jpg はい、みなさんこんばんわ…。
 こうした歴史物、または歴史上の人物を扱った作品の場合は、ついつい過去のスペクタクル映画や日本の大河ドラマの中で良かったものとか、いわゆる戦国ものの邦画と比べてしまうんですが…
 この作品は女性映画なんですね。
 だから、歴史物として考える私のような昔気質には肩すかしになってしまったのかも知れません。

 もう、この作品からちょうど10年前になるんですね。ケイト・ブランシェットが前作『エリザベス』で一躍脚光を浴びたのは。
 歴史物が好きな私は当時も劇場へ足を運んだのですが、その時も今回も感じたのは、まあ、なんて陰気くさいお話なんだろう、ということですね。
 暗い。暗い。お話も暗いけど、とにかく画面全体が寒々しいんです。でも当時は私もう少し若かったので、よく分からないな、イギリス映画だからかな、勉強不足かな、と思ってそれきりになったんですね。
 でも、あの暗い暗いイメージだけは、逆にその中で真っ赤な衣装を着けたケイト・ブランシェットの印象と共に強烈に残った。

 さて、十年経って続編を観て、ちょっとだけ、何を描こうとしていたのか分かったような気がしていますよ………
 

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2010年5月12日 (水)

『アリス・イン・ワンダーランド』毒気がないのはT.B流な男の純情なのかも

Alice_in_wonderland1 なるほど、と思いました。いや、物語としてはいい映画なんです。
 なにが“なるほど”かと言いますとね、あちらこちらから聴こえてくる、この映画評。ティム・バートンという稀代の悪たれ監督に対するファンの望むテイストとは確かに違う、ということ。
 しかも選んだテーマがこれまた『アリス』で、「これは違う」という否定論。

 じつは私、童話が苦手でしてね。『アリス』をまったく知りません。せいぜい、ディズニーのキャラデザインと最低限の役柄程度で、相関関係もあらすじすらも知らないのです。

 ですからこの作品がどれだけ原作を逸脱していてどれだけ原作を活かしているのか知らずに、まったく一本の作品としてのみの視点で観られるという幸運(?)なスタンスでお話を進めさせていただきます。もちろん、ネタバレなし…といっても知らないのは私だけかも知れませんが。
 

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2010年4月 8日 (木)

『第9地区(District 9)』あえてパクった!?新時代のリアル系SF

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 はい、みなさんこんばんわ。なんかね、ものすごく不思議なSFを観ましたよ。
 まあお話はね、読めるの。もう、だいたい最初の印象のままの映画。ましてSF映画がお好きで、リアルタイムでも10何年とご覧になってたら若い方でも、あ、これあの映画、うん、これはこの映画…って感じで、なんか今の最新技術でグレードアップして継ぎ接ぎしたみたいに感じることでしょう。
 
 ところがね、アプローチの仕方が巧い。これはSFがお好きなら観ておいた方がよろしいと思いますよ。
 

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2010年3月14日 (日)

『シンデレラマン』生きてゆくことは戦い。タイトルからは想像できない傑作

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   はい、みなさんこんにちわ。  さあ、またひとつ、素晴らしい映画に出逢えました。 「家族の幸せだけを願っていたら、いつの間にかアメリカの希望になっていた」という公開当時の宣伝コピーや、そのタイトルから家族愛を描いた幸運なボクサーの復活物語かと思っていたのに、違いましたね。なんの、シンデレラなもんですか。この原題、逆説的に付けられていたんですよ。

 そこに描かれていたのは、努力。いや、努力なんて言葉では片づけられない、懸命に家族を護ってゆこうとする、ひとりの父親の必死な姿がありました。
 またまたチグハグな宣伝文句に困惑しましたが、今回は嬉しい裏切りでした。さあ、お話しさせてくださいね。
 

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2010年2月12日 (金)

『キングコング』見応えたっぷり、ついに登場した決定版!

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 はい、みなさんこんばんわ。

 2005年夏、劇場で予告編を観て、その日目的だった映画よりも感動して深く印象に残ってしまったワタシです。その日なんの映画を観たのかさえ思い出せません。
 あまりにも有名なこの作品ではありますが、テレビでクラシック映画を観まくった筆者でも、さすがに1933年の最初の作品はクライマックスシーンのごく一部しか知りません。

 ですから筆者にとっての『キングコング』体験は、1967年東宝の怪獣映画『キングコングの逆襲』からなんですね。
 この映画、当初は観る予定じゃなかったんですが、連れて行ってくれた祖母が本来観るつもりだった映画がやってなかったので、せっかく外出したのだからと孫の筆者が喜ぶ作品…ということで見せてもらったといういわくつき。

 しかしまだ6歳だった筆者、そのド迫力にもう押されまくってビビッたビビッた…
 いやいや、それはまた別な話…では2005年の新作キングコングのお話、いたしましょうね。
 

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2009年12月 3日 (木)

『スター・トレック』監督に完全にダマされた!

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 はい、みなさんこんばんわ。
 今回はほんまに、やられました。完全に欺されました、J・J・エイブラムス監督に。
 この人、プロモーションのたびに言いましたね。「僕はトレッキーではない」と。まあ、これが大嘘。脳天までドボドボに漬かったかなり濃密なトレッキーでしたね。大うそつきですね!

 あの言葉は言うなれば頑固一徹タイプのトレッキーのために張った“防御スクリーン”だったんですねえ。
 それどころか、間違いなくこれぞスター・トレックでしたよ。万一、千歩譲って言葉通りに彼がトレッキーでなかったとして、脚本家だけが濃厚なトレッキーというだけではああは描けません。すべてを指揮する監督が微に入り細に入って知り尽くしてなかったら描けないことだらけ。

 むしろ、これまで未解決だった部分を徹底的につじつまを合わせてしまったのには驚くと同時に「よおやってくれた!」と敬服してしまうばかりでした。
 …ということで、慣例を破りまして、内容に関して微に入り細に入り検証しこの監督がどれほどトレッキーなのかを論じたいと思います!そう、ご注意くださいね、ネタバレしてます!!

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2009年11月30日 (月)

『ロボッツ』これぞハリウッドならではのアニメ!

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 はい、みなさんこんにちわ。

 私ね、正直言ってアメリカのアニメは観ないんですよ。特にディズニー系。あのうにょうにょっとした動きが苦手なんです。
 でもこの作品はアメリカアニメのいいところと可能性を見せてくれました。子ども向けのCartoonではなく、すばらしい“映画作品”でしたね。

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2009年11月27日 (金)

『パンズ・ラビリンス』本来童話とは現実の残酷さを教えるもの

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 ひさびさにファンタジックなお話を観させてもらいましたが、こんなに哀しく、いろいろと考えさせられるお話も久しぶりです。

 『パンズ・ラビリンス』。パンズ、なんでしょうね。パンの複数形?まさかね。
 これね、パンっていうからいけないんです。パーン。またはパアン。そう書くと神話ファンならああ、牧神パーンのことか、ってパンと…いえ、ピンと来られるはず。
 ラビリンスは迷路とか迷宮という意味というのはご存じですよね。デビッド・ボウイ主演の映画もありましたね。

 それにしても配給会社、あいかわらず邦題の付け方がまずいですね。直訳して『牧神の迷宮』のほうがなんかカッコ良くないですか?ヘンな邦題はつけるくせに、なんで解りにくい原題ほど換えてくれないんでしょうね。せっかくいいお話なのに。
 さて、愚痴っていてもこのお話の良いところは伝わりませんので、さっそくネタバレなしでご紹介してゆきましょうね。

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2009年11月 9日 (月)

『世界最速のインディアン』生きるとは夢に生命を燃やす事。

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 はい、みなさんこんばんわ。

 アンソニー・ホプキンス、お好きですか。
 『羊たちの沈黙』以降の怖い怖いレクター博士、知的だがその心は計り知れない、悪魔のような男。あの、夜中に一人でいるとどこからともなく聴こえてくるような、カサカサに乾いた、しゃがれた声。
 反面、『ジョー・ブラックによろしく』『マスク・オブ・ゾロ』などで見せたおおらかで暖かな紳士とは随分違いますが、いずれにせよ役柄の善悪を越えてつねに貴族のような気品と風格を備えた役者ですね。

 まあしかしそれにしても、いいおじいちゃんになってきました。

 今回彼が演じたのは夢はでっかいけど、いたってフツーのおやじさん。これまでの彼が演じてきた役柄とはひと味違います。

 派手なアクションもびっくりするようなどんでん返しもありませんが、一所懸命に生きて何かに挑戦し続けた人の話は、それだけで心に響きます。
 これは、そういうお話。

 さて、どこからお話ししましょうか。

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